大手製薬会社からまさかの連絡を受け、絶望のどん底から拾い上げられた私。
前職では「部長」という役職に就いていましたが、
転職先での立場は今の給料に見合った平社員からのスタートでした。
「えっ、元部長なのに?」とプライドが邪魔をしたと思われる方も
いると思いますが、
当時の私にはそんなちっぽけなプライドなんて1ミリもありませんでした。
路頭に迷いかけた自分を評価して拾ってくれた感謝。
そして、ずっと学びたかった医療や薬学の最前線に飛び込める喜び。
気分はまるで、18歳で社会に飛び出した新入社員そのもの。
フレッシュな情熱を胸に、私は心機一転、日々の仕事へ打ち込み始めました。

「平社員」だからこそ炸裂した、圧倒的パフォーマンス
平社員に戻って良かったことが、ひとつありました。
それは、管理職特有の不毛な社内政治や、
長時間の会議から解放されたことです。
自分の仕事だけに100%集中できる環境を手に入れた私は、
かつて大手お酒メーカー時代に徹底的に叩き込んだ「商品開発スキル」を
遺憾なく発揮し始めました。
清酒、リキュール、食品、化粧品まで、
これまで通算180アイテム以上の商品を
ゼロから世に送り出してきた経験は伊達ではありません。
さらに私には、小学生の頃からの「慌て者でせっかち」という
短所を補うために編み出した、絶対的な武器がありました。
それが、「段取り8分、複数プラン(A案・B案・捨て案)準備」の思考法です。
何か企画を立てるときは、
事前に徹底的なリサーチを行い、
相手がどう動いても対応できるように完璧な準備を整えておく。
この「段取り」が8割でき上がっていれば、
現場の仕事なんてほとんど問題なく片付きます。
「あいつ、仕事のスピードが尋常じゃないぞ……」
購買担当や新しい飲料プロジェクトで次々と成果を出し、
あっという間に周囲から一目置かれる存在になっていきました。

定時でスマートに仕事を終わらせ、その裏で進めていた「ある企み」
圧倒的な段取り力で仕事を終わらせていた私ですが、
実はその裏で着々と「ある密かな企み」を進めていました。
第3話でお話しした通り、製薬会社の最前線に身を置く中で、
私の心には強い違和感が芽生えていました。
「病名がついたらマニュアル通りに薬を処方するだけで、
人間が本来持っている『自分で治る力』が置き去りにされているんじゃないか」
という疑問です。
「薬や病院に命を丸投げさせない、
自分で自分の体を守れる人を増やしたい」
その強い想いから、
私は仕事以外の時間や休日をすべて投じて、
「本格的な整体・手当て・解剖学・東洋医学」の猛勉強を
裏でスタートさせていたのです。
昼間は製薬会社のスマートな平社員として効率よく成果を出し、
定時でサッと退社。
夜は専門学校へ、週末は家族サービスに
時間をみつけては技術セミナーへ行くことも!!
人の体の声を聞くための「手当ての技術」を研ぎ澄ましていく日々が続き
充実した毎日を送っていました。
お酒のメーカーで培ったゼロから価値を生む開発スキルと、
製薬会社で得た薬学等の知識。
そして学び始めた手当ての技術。
自分の過去の失敗と経験がすべて一本の線でつながり、
「新しいセルフケアの形を創る」
という私のイノベーションが、着々と形になろうとしていました。

仕事は順調、学びも楽しくて仕方がない。まさに「成功の連続」でした。
しかし――。
人生とは、どこまでもドラマチックで意地悪なものです。
仕事も裏での準備も絶好調だった私の足元に、
今度は「家庭」と「プライベート」を根底から吹き飛ばす、
人生最大の激震が静かに忍び寄っていたのでした。
さあ、絶好調だった私に、いったいどんな恐ろしい試練が襲いかかるのか……?
さあ、次回はどうなるのかお楽しみに!

【次回予告】
第5話:【波乱の幕開け】順風満帆なキャリアの陰で忍び寄る「家庭崩壊の足音」
仕事も裏での学びも順風満帆!しかし、私の善意が裏目に出始め、平和だった家庭に理不尽なトラブルの嵐が吹き荒れようとしていました……。次回もぜひお楽しみに!
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